将来は学校教員を目指す私にとって、スタバのバイトとは、あと1年残る大学生活を「エスプレッソマシンが使ってみたい!」という欲求を満たす目的の他に、
素人→使える人間へと教育してもらう経験がしたいというものがある。
分かりやすく言うと、教育されたいのだ。教える立場ではなく、教えられる者の立場に立ちたいわけです。
教員志望の私にとって、「教える」ということにおいてはプロフェッショナルであることが求められる。「教育者」としてこれで十分ということは無いけれども、教員採用1年目の新米であろうが、30年のベテランであろうが、教師として教壇に立てば、子どもにとって「先生」に変わりは無いわけで、その関係がある以上、教師は子どもに指導し続けなければならない。(もちろん共に学ぶという視点もあるけれど、それはここでの議論ではない。)
ただ、そうなる前に、もう一度、0から学んでいく仕事がしてみたかった。知識・経験、共にゼロの状態で、あーだこーだ言われながら成長できる楽しさを味わいたかった。
例えばどこかのレストランの皿洗いとか、誰でもできることはやりたくなかった。専門的な知識と技術が必要で、かつ教育に関係ないこと、というか飲食系をやりたくて、楽しいこと・・・。うーむ。
そしたらポンッと「カフェ」という単語が出てきて、留学中にホストマザーが
「ならスタバしかないじゃろ。」って。結構短絡的なんですねぇ。
先輩達の教え方を、それを学ぶ自分とは別に、「どうやって教えてくれるのか」を冷静に観察している自分がいることを感じているのもまた楽しい。
「あぁ、こうやって教えると実践的で分かりやすいな」とか教わる立場に立ってみて初めて分かることも多いものだ。
頭のいい人は教え方が下手とよく言われる。「分からない」という経験があまりないため、つまづいている部分の思考回路を理解できないからだ。その点で、「どういう教え方が分かりやすいか」という視点を持ちながら仕事を覚えていくのは、内容が専門的にしても、アプローチの方法としてはとても参考になると思う。結局、教育と言うものは人間同士のコミュニケーションで成り立っている部分がほとんどなわけで、レジ打ちひとつとっても学ぶべき点は多い。
私の働き始めたスタバのパートナーさんたちは新人の受け入れに非常に温かくて、入りやすかった。新しいコミュニティーに入り込むのはかなりストレスなことなのだが、スターバックスという社風自体が対人関係を大事に尊重しようというものなので、スタッフ全体にいい雰囲気で包まれている感じだ。
スターバックスは業界の中でも離職者(希望退職とか)が他の企業に比べて少ないらしい。
新人が既存のスタッフの第一印象でよかったからだとか、ノリがいいからとかいう曖昧なもたれあいで職場の人間関係が成り立っているところじゃなくてよかった。
もちろん、仲のよさは後から出来上がってくるものだけれど、その前にスタバの店員になるという点において、それに関してきちんと体制が整っていることを見ると、サスガこれだけ世界中に展開している企業だと思う。
まだ初めて3週間だけれど、あと1年のバイトが不安より楽しみで仕方ないッス。